私は日中医薬研究会という漢方勉強会に属しております。関西支部と関東支部があり、私は関西支部で学んでおります。
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2001年に入会させて頂いてから、かれこれ13年。13年も、と思ってましたが、まだまだ13年です(^_^; 毎月2日間に渡って例会が開かれ、先輩のベテラン先生から教わります。昔ながらの塾形式で、新しい先生も、大ベテランの先生も、同じ講義を学びます。漢方治療歴50年の支部長が、「基礎は何回でも勉強したい」と常々おっしゃいます。頭が下がります。
今月は、9月13,14日に毎月の例会がありました。@メルパルク京都(京都駅前)
13日(1日目)
11時 運営打ち合わせ会=理事会。私は末席理事をさせて頂いております。よりよく会の運営をおこない、よりよい勉強ができるために知恵を絞るミーティングです。
13時 例会1日目開始。
規(のり)の斉唱。
一つ、深く方技(ほうぎ)を研鑽し人類の福祉に貢献すること
一つ、広く本草(ほんぞう)に精通し医薬資源の自給自足をはかること
一つ、周く(あまねく)食養(しょくよう)を体得し食生活の正常化と啓蒙普及につくすこと
一つ、漢方の本道(ほんどう) 薬師(くすし)の道を正すこと
一つ、社会正義と人間愛の人道主義をもととすること
規は、この勉強会の憲法。師匠である故渡辺武先生が定められました。
1時限目。基礎講座Part1。写真なくてすみません。食物繊維についての学び。ここから、お通じ、発酵と腐敗、交感神経と副交感神経の話に飛躍。薬剤師、配置薬、生薬、食事、基礎研究、鍼灸、内科医師など、さまざまな分野の専門家が「漢方」というカテゴリーで集まっている会なので、話が広がり深まります。デトックス&便秘解消薬の大黄(だいおう)は、しぶる(お腹がきゅっと痛くなる)こともあるのですが、修治(=しゅうち、手を加える)すると、効果はそのままで、しぶりが減るそうです。
2時限目。平成薬証論(故渡辺武師匠著)をベースに、生薬の勉強です。今回のテーマはハトムギ。ハトムギを脱穀したものがヨクイニンです。美肌、デトックス、利尿の働きがある、スーパー生薬。産地の違いで味も効きも違います。実物を見て、味見できることは、貴重な勉強です。
3時限目。繁用処方解説。関西支部長の伊東先生が講義してくださいます。テーマは「痛み」。風邪(ふうじゃ)、寒邪(かんじゃ)、湿邪(しつじゃ)が、関節や筋に入りやすいので、関節痛などがおこります。こういった冷えによる痛みは、温めると楽になります。冷えによる痛みと、熱による痛みを分けて考える必要があります。大ベテラン先生からの学びは大変貴重です。
17時、1日目終了。漢方仲間とビールで乾杯! のぼせた頭をビール=苦味で冷やします。スパイス=辛味で胃腸を守ることも大切です。「食は大薬(たいやく)、薬は小薬」といい、食べることはとても大切で、食材、スパイスなどのバランスを考えながら食事をいただくと、美味しく漢方理論を学ぶことになります(笑)。こういったことを「食養(しょくよう)」といいます。
14日(2日目)9時開始
スタバコーヒーで覚醒。これは欠かせない(^-^)
規(のり)の斉唱。
一つ、深く方技(ほうぎ)を研鑽し 人類の福祉に貢献すること
一つ、広く本草(ほんぞう)に精通し 医薬資源の自給自足をはかること
一つ、周く(あまねく)食養(しょくよう)を体得し 食生活の正常化と啓蒙普及につくすこと
一つ、漢方の本道(ほんどう) 薬師(くすし)の道を正すこと
一つ、社会正義と人間愛の人道主義をもととすること
(毎月、斉唱しますが、スルメみたいに、噛めば噛むほど味のある、で、反省させられる言葉です)
1時限目。基礎講座Part2。テーマは「辛味」。辛味は皮膚にとって大切なことから、皮膚病、ニキビなどに話が飛躍。この飛躍が面白いのです。ニキビの漢方的な考え、腸内細菌、大人ニキビなどに話が及びました。「白ニキビは、皮膚の冷えが原因」など、普段は考えもつかないことを、大先輩から学びました。
2時限目。皇漢医学。鬱は寒証が原因と考えられていますが、心臓の動悸がある時などは、熱証もあります。そのことも含めて治療できるところが、漢方の良さです。
昼休み。スタバコーヒー補充。これもかかせない(^_^;
3時限目。方輿輗(ほうよげい)。担当は不肖野町。渡辺武先生のビデオ講義で、何度観ても勉強になります。今日のテーマは茵蔯蒿湯(いんちんこうとう)など。茵蔯蒿湯は冷やす漢方薬で、黄疸(おうだん)や蕁麻疹(じんましん)の代表薬ですが、他の漢方薬などと組み合わせて使うことが大切です。茵蔯蒿湯は、苦味のある血剤(=デトックス系)である茵蔯蒿が主薬。それに加えて、山梔子(さんしし)、大黄(だいおう)から出来ています。実物を味見しながらの勉強です。写真ではパソコンに映っていますが、プロジェクタ&スクリーン&スピーカーで放映しているので、在りし日の師匠のオーラが漂い、適度な緊張感の中で勉強します。
4時限目。金匱要略(きんきようりゃく)の講義。金匱要略は漢方の聖典のひとつです。丁寧な資料を作っていただき、分かりやすく解説してくださいます。
17時終了。明日からの臨床に使える技術を携え、解散。会員の先生方、お疲れ様でした。
ヴィヴェンシアクリニック 野町 健