TOP > ブログ記事一覧 | 大阪府大阪市北区梅田 ヴィヴェンシアクリニック - Part 7

ブログ 記事一覧

2017形成外科学会3Days その2

形成外科 , 美容外科

2017年04月17日

年に1回の形成外科学会総会。

学会発表もしました。「サーミドライによる腋臭症治療について」
(治療についてはこちらをご覧ください)

5分間の発表と3分間の質疑応答があります。

↓発表前

↓発表中

↓発表後の質疑応答 座長の先生と議論しています。

この治療法は、アメリカで開発されたワキ多汗症・腋臭症に対する治療方法で、FDA認可も受けています。
(FDAは日本の厚生労働省に相当する政府機関で、ここのお墨付は信頼度が高い)
この治療法を考えた先生はすごいと思います。が、元来のプロトコル(手順)では、再発も少なからずありました。そこで、1回の治療で、最大限の治療効果を得るためにプロトコルを、不肖野町が改良しました。その結果、再発を大幅に減らし、ダウンタイムも減りました。翌日から日常生活を送ることができます。
それが評価されて、昨年アメリカで招待発表してきたわけです。ブログの続き、サボって書いてませんけど(^^;
…という、なかなかよい治療だと考えています。

発表の準備は大変ですが、少しでも医療の向上に貢献し、自分を切磋琢磨するために、年に1回は発表するように頑張っています(^^ )

ヴィヴェンシアクリニック 野町

2017形成外科学会3Days その1

形成外科

2017年04月16日

年に1回の形成外科学会総会。私たち形成外科医師にとって、一番大きな勉強会です。お祭りではありませんが、気分も高まります。
4月12-14日に大阪で開催されました。


知り合いの先生ともたくさん会えるので、「最近、こんな手術したんだ」と近況報告したり、難しい症例の相談をしたり。
仲間が日本各地で頑張っている、それを再確認して、明日からもがんばろ!と思えるのが学会のいいところです。
もちろん、勉強もします。臨床にすぐに役立つことも、倫理的なことも。
最新の治療が最良ではないのですが、最新情報も学びます。
企業展示も見て回って、技術革新もアップデート。


興味ある本も買いました(^^ ) 
関西の形成外科医の先生達と、本の内容を吟味・厳選していたのですが、結局、みんな同じ本を購入することに(笑)

ヴィヴェンシアクリニック 野町

お屠蘇(おとそ)

日々@VC , 漢方

2016年12月11日

今日は、お屠蘇(おとそ)についてのお話。

正月に家族揃って、お屠蘇をいただき、気分を一新して新年を迎えるのは、日本の美しい伝統です。

年の始めに飲めば、その年は災厄を避けられて幸福を招くと伝えられている縁起物ですね。

ところが面白いことに、お屠蘇の始まりは邪気祓い(じゃきばらい)に始まっているのです。

お屠蘇の由来は、屠蘇散(とそさん)という漢方薬で、中国の三国時代(1500年前)の名医の華佗(かだ)が作った漢方薬と云われ「邪気を屠 (ほう)り、魂を蘇(よみがえ)らせる」と云われるところから屠蘇と名付けられました。

邪気祓いの呪術的要素の強い薬用酒だったのです。

日本には今から1200年前の弘仁二年(811年)中国の蘇明が来朝の時伝えたもので嵯峨天皇が四方拝の御儀式の後に御用いになったのが始まりで、以後今日まで民間でも天皇に習い、元旦に一家の無病息災と幸福を迎えるために服用しています。

江戸の初めに日本に伝わった『本草綱目(ほんぞうこうもく)』という漢方の本によれば、「一人飲めば一家に疫なく、一家がこれを飲めば一里四方に疫なし、元日に飲めば年間に病なし」とあります。

このころから、屠蘇は庶民の間でも、邪気祓い、延命長寿を願って元日から三が日の間に飲む薬用酒となりました。

江戸後期になると、屠蘇は医者が患者様に年末に節季(せっき)払いの薬代の返礼として贈ることが習わしとなりました。

「飲み逃げして薬種屋で屠蘇を買う」、これは薬代を払わなかった患者が医者から屠蘇を貰えないために、薬種屋に買いに来たという当時の川柳です。

「薬種屋で屠蘇を買うのは無病也」とも詠まれています。医者に縁のない人は薬屋で屠蘇を買ったからです。

屠蘇散の処方は、
気剤として桂皮(けいし=シナモン)・山椒(さんしょう)・防風(ぼうふう)・酒、
水剤として赤小豆(せきしょうず=あずき)・蒼朮(そうじゅつ)・土伏苓(どぶくりょう)・桔梗(ききょう)・烏頭(うず=トリカブト)、
血剤として大黄(だいおう)から構成されて、

健胃・整腸・利尿・鎮咳・去痰・防腐・解熱・解毒・発散などの効果があり、水毒を去り保温の効果が顕著です。

日本では烏頭の毒性を怖れて省いていますが、北の守りの寒さ避けの主藥ですから、無毒化された生薬を使えば、冬の保健薬としての藥効を強化するものです。

(日中医薬研究会 渡邊武先生 講義より)

これらの生薬を、大晦日の夜に清酒に浸けて、元旦の朝に取り出し、家族一同で頂きます。

お正月は美味しいおせち料理とお酒を、ついついたくさん頂いて、お腹と体に負担をかけてしまいます。それを予防する意味が、お屠蘇にはあるのです。

水毒は、美容の大敵ですよ。皆様、是非、お屠蘇を召し上がれ。

年の瀬も押し迫ってきました。皆様、お体をご自愛下さい。

    ヴィヴェンシアクリニック院長 野町 健