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お屠蘇(おとそ)

日々@VC , 漢方

2016年12月11日

今日は、お屠蘇(おとそ)についてのお話。

正月に家族揃って、お屠蘇をいただき、気分を一新して新年を迎えるのは、日本の美しい伝統です。

年の始めに飲めば、その年は災厄を避けられて幸福を招くと伝えられている縁起物ですね。

ところが面白いことに、お屠蘇の始まりは邪気祓い(じゃきばらい)に始まっているのです。

お屠蘇の由来は、屠蘇散(とそさん)という漢方薬で、中国の三国時代(1500年前)の名医の華佗(かだ)が作った漢方薬と云われ「邪気を屠 (ほう)り、魂を蘇(よみがえ)らせる」と云われるところから屠蘇と名付けられました。

邪気祓いの呪術的要素の強い薬用酒だったのです。

日本には今から1200年前の弘仁二年(811年)中国の蘇明が来朝の時伝えたもので嵯峨天皇が四方拝の御儀式の後に御用いになったのが始まりで、以後今日まで民間でも天皇に習い、元旦に一家の無病息災と幸福を迎えるために服用しています。

江戸の初めに日本に伝わった『本草綱目(ほんぞうこうもく)』という漢方の本によれば、「一人飲めば一家に疫なく、一家がこれを飲めば一里四方に疫なし、元日に飲めば年間に病なし」とあります。

このころから、屠蘇は庶民の間でも、邪気祓い、延命長寿を願って元日から三が日の間に飲む薬用酒となりました。

江戸後期になると、屠蘇は医者が患者様に年末に節季(せっき)払いの薬代の返礼として贈ることが習わしとなりました。

「飲み逃げして薬種屋で屠蘇を買う」、これは薬代を払わなかった患者が医者から屠蘇を貰えないために、薬種屋に買いに来たという当時の川柳です。

「薬種屋で屠蘇を買うのは無病也」とも詠まれています。医者に縁のない人は薬屋で屠蘇を買ったからです。

屠蘇散の処方は、
気剤として桂皮(けいし=シナモン)・山椒(さんしょう)・防風(ぼうふう)・酒、
水剤として赤小豆(せきしょうず=あずき)・蒼朮(そうじゅつ)・土伏苓(どぶくりょう)・桔梗(ききょう)・烏頭(うず=トリカブト)、
血剤として大黄(だいおう)から構成されて、

健胃・整腸・利尿・鎮咳・去痰・防腐・解熱・解毒・発散などの効果があり、水毒を去り保温の効果が顕著です。

日本では烏頭の毒性を怖れて省いていますが、北の守りの寒さ避けの主藥ですから、無毒化された生薬を使えば、冬の保健薬としての藥効を強化するものです。

(日中医薬研究会 渡邊武先生 講義より)

これらの生薬を、大晦日の夜に清酒に浸けて、元旦の朝に取り出し、家族一同で頂きます。

お正月は美味しいおせち料理とお酒を、ついついたくさん頂いて、お腹と体に負担をかけてしまいます。それを予防する意味が、お屠蘇にはあるのです。

水毒は、美容の大敵ですよ。皆様、是非、お屠蘇を召し上がれ。

年の瀬も押し迫ってきました。皆様、お体をご自愛下さい。

    ヴィヴェンシアクリニック院長 野町 健

アメリカで学会発表! その2

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(写真:ロサンゼルスの空は青い!)

今年2月にアメリカ・サンディエゴにあるコーエン先生のクリニックを訪問させて頂いた際に、この治療方法をコーエン先生にお伝えしたところ、「ノマチ先生、ソレハナイスナ方法デスネ〜、是非アメリカデ発表シナサイ、私ガ推薦シテアゲルカラ」とおっしゃっていただき、本当に推薦されて招待して頂きました。コーエン先生は、人格が優れた先生で、人脈もあり、言うまでもなく手術はとても上手な先生です。ぼくは遠く足元にも及ばないような先生なのですが、とても気さくで親切にしてくださるのです。
その時に、同行した先生とコーエン先生が、「この方法に名前を付けちゃおうか?(^^ )」みたいな話になり、「N-methodがいいかな?」とか「Nomachi-methodがいいかな」とか、嫌がる(笑)僕を尻目に、からかい半分?!で話を進めていって…。せっかく名付けてくださったので、オハズカシイのですが、この名前「NOMACHI-Protocol」で発表した、という次第です(^^ )。

…といった次第で、招待決定したのが今年7月。
それからというもの…
ダメダメな英語力を少しでも鍛えるために英会話学校へGO!
よりよい発表にするために、普段の発表より時間と精力をかけて準備もしました。推薦してくださったコーエン先生の面目を潰してはいけませんしね。
プレゼン(プレゼンテーション=発表)のスライドと読み原稿を、まず日本語で作り、英語に翻訳して(正確には、翻訳してもらい(^^; )、それをブラッシュアップして…
英会話学校では、プレゼンの練習や校正もしてもらいました。
もちろん、外来診療など日常業務が終わってからの仕事だったので、なかなか大変でした。例えるなら、小学生、8月31日しかも日曜日、サザエさんのエンディング♪が流れ終わったのに、まだ夏休みの宿題がタンマリある、そんな毎日でした(^^;
国内国外で精力的に発表なさる先生方はすごいなと、改めて尊敬しました(^^ )
続く…

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LA出張に同行した先生、コーエン先生と

アメリカで学会発表! その1

形成外科 , 美容外科

2016年10月01日

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9月22日〜27日まで、ヴィヴェンシアクリニックを休診させて頂き、アメリカに行き、学会発表して参りました。
英語の発表も初めて、招待も初めて、ロスも初めて(笑)
お恥ずかしいのですが、旅行記を少々(^^ )

《発表した内容》
2年前から、脇の多汗症やワキガ(腋臭症=えきしゅうしょう)に対して、サーミドライ治療をおこなっております。サーミRFという医療機器を用いておこなう治療で、キズがほとんど残らない、すぐに日常生活に戻ることができる、高い効果、より確実な結果が得られる治療です。アメリカで開発された方法なのですが、治療方法を改良し、より確実で高い効果を出すことができるようになったので、発表させていただきました。
題名は「Using Monopolar Radiofrequency for Hyperhidrosis, Thermi Dry , NOMACHI-Protocol」。日本語に訳せば、単極ラジオ波機器を用いた脇多汗症治療 サーミドライ治療 ノマチ式ってとこでしょうか。ノマチ式とか、名前をつけることはとてもとても恥ずかしいのですが、いろんな経緯があってのNOMACHI-Protocol(^^ ) 
その経緯はまた今度(^^ )。
続く…

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キンチョーしてコワイ顔してますね(^^;